
1. 未来社会へのアシスト
当研究室では、システム制御理論に基づいた各種の制御工学的問題に取り組んでいます.システム制御理論とは、世の中に存在する様々なモノやコトを思い通りに 動かすための学問で、特に現代システム制御理論では、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させたシステムを構築し、制御問題を考えます。従って、システム制御理論は、ソサイエティ5.0の実現に欠かせない、中心的な基礎技術の一つです.



2. 研究紹介
システム制御理論の応用研究課題のうち、当研究室で現在進めているものを紹介します.
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車両ロボットにおける障害物回避などの基礎的な制御問題について,制御理論と情報科学の両面から発展させるための研究.
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自動操船において、詳細な数理モデル化と非線形確率制御の導入により、スマートな航路生成と操船技術の高精度化をするための研究.
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圧電素子と摩擦力が駆動力に大きく関わる特殊なモータである超音波モータの非線形サーボ制御による高速高精度化を目指す研究.
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電動車椅子をはじめとする「人間とともにある機械」が、適切に安全に人間をアシストするための、安全制御に基づくヒューマンアシスト制御の確立を目論む研究.
これらの応用研究課題は、最先端のシステム制御理論である非線形制御理論や確率制御理論に基づいていますが、当研究室ではこれらの理論そのものについて発展させるとともに、様々な制御理論を包括する新しい理論体系(ラフ制御理論)の枠組み作りにも挑戦し、応用研究課題の更なる高度化を目指しています。



3. 教育
システム制御理論の開発から実応用展開の間には様々な知識や技術が必要で、機械工学だけではなく、電気電子工学や情報工学なども学ぶ必要があります。これらの基礎は機械工学プログラムで学ぶことができますが、システム制御理論を研究するためにはより深く学ぶ必要があります。
また、近年では情報科学との深い融合が必要であるため、当研究室の所属学生は、最先端の現代制御理論を学ぶとともに、C#, C++, PythonやMatlabのようなコンピュータプログラミングについても学び、シミュレーション技術や組み込み技術を通じて、機械工学と情報工学の融合技術としての制御工学を学びます.

4. 持続可能社会への貢献
当研究室で進めている研究活動や教育活動を、現在、世界的に進められている「持続可能な開発目標:SDGs」に当てはめると、右の4つが該当します。これらと上述の応用研究の関係は次の通りです。車両ロボット制御は9と11、自動操船技術と超音波モータのサーボ制御は9、安全制御(ヒューマンアシスト制御)は3、9、11に関係しています。また、システム制御理論を中心とした教育活動では4の実現を目指します。







5. 学生募集
当研究室では、システム制御理論を発展させることで、ソサイエティ5.0実現のための基礎技術の一端を担うとともに、持続可能社会の実現へのアシストも行いたいと考えています.意欲ある学生の皆様のメンバー入りを期待しています!